今回の旅の目的地は、
Sierpeからボートによってアクセス可能な Corcovado National Park(コルコバード国立公園)だった。
Osa Peninsula の Drake Bay 付近に位置するその国立公園は、 1975年10月に正式に国の保護区となる。
425 km2 の広大なジャングルは、生物多様性に富んでおり、 この保護区内だけでも、世界中の約4%に当たる生物種が生息している。
空気が全然違う。
五感が研ぎ澄まされる、ちょっと懐かしい感じ。
San Jose からDrake Bayまで、飛行機でたったの45分。
Sansa Airlines と Nature Air Airlines が運行している。
(US$80前後)
そんな近距離だが、私たちは敢えて陸路を採った。
コルコバード国立公園へ到着するまでの長い道のりも、
旅の一部として楽しもうと思ったから。
散策と朝食の後、Sierpeを朝の11時過ぎに出発した。
コルコバード国立公園での宿泊先のオーナーが用意してくれたボートに乗り込んだ。 およそ1時間、海路でDrake Bayまで向かうことになる。
私たちを乗せたボートが、風を切りながら、
マングローブの川をどんどん下っていく。
雨が顔に激しく降りさし、視界をくもらせた。
マングローブとは、熱帯から亜熱帯の河口域の塩性湿地に生育する森林を言う。
塩水の川の中に根っこを長く伸ばす様にして成長する種が多い。
この特異な根っこは、呼吸根と呼ばれている。(写真上)
マングローブは、カニ、エビ、貝類など多くの生物を宿す母なる森で、
豊かな生態系を支え、水質浄化もする。
ボートが突然止まり、ライフジャケットが渡された。
間もなく、ボートが左右に揺れ始めた。
そして、はっと気がつくと、
私たちは広い海原にぽつんと浮かんでいた。
いつの間にか、Sierpe 川が河口に達しており、
私たちを乗せた小さなボートは、 海洋を走っていた。
雨のせいで、海は荒れていた。
エンジンを緩め、波に乗るようにして、 ゆっくりと前進した。
ボートが倒されるんじゃないかと、かなりひやひやしたが、
現地の人の手慣れた様子にわずかながら安心した。
無事Drake Bayに到着すると、四輪駆動(4x4)の車が私たちを待っていた。
現地では、これをタクシーと呼んでいる。
(US$20.00くらいで、予めホテルに手配を頼む必要がある。)
でこぼこの泥道を走り抜けて行く。
途中、数日前の雨のせいで、川の水深がだいぶ上がっていたので、 川の中をゆっくり車で横切った。 車で通れない程にゆるくなってしまった道は、降りて歩くことになった。
予約をしておいた宿、Corcovado Jungle Eco Lodge に到着した時は、
すでに午後4時をまわっていたと思う。
この宿、オーナーのカルロス氏の手造り。
窓ガラスは一つもなく、
自然の音がよく聞こえるように、壁が一面網戸になっている。
倒木を積極的に使い、
なるべく環境に負荷を与えないように、建てられたそう。
とてもシンプルだが、そのシンプルな温かみが気に入った。
辺りは日が暮れ始め、虫や夜行性の生き物、風に揺らぐ木々が奏でる音で
だいぶ騒がしくなってきていた。
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